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広告宣伝のための賞金

広告宣伝のための賞金

個人に対し、広告宣伝のための賞金を支払う場合は、所得税等を源泉徴収しなければなりません。

(源泉徴収とは、給与や報酬を支払う祭に、支払う側が支払う金額から税金を差し引きして、国に納付することです)

広告宣伝のための賞金とは、事業を営む個人や法人が、製品や事業の内容を広告宣伝するための賞金や賞品で、懸賞クイズや大売出しの抽選の賞金や賞品が該当します。


この賞金・賞品は、受け取った側では一時所得として課税の対象となります。

ただし、一時所得は最高50万円の特別控除額があるため、50万円以下の賞金には課税されません。
(源泉徴収も50万円以下の賞金には必要ありません)


国税庁タックスアンサー参照

ところで、、、、

年明けに某有名経営者が、ツイッターのフォロー及びリツイートを条件に100名の方に100万円をプレゼントするとのことで話題になってました。


このお金は、贈与になるのか、一時所得になるのかで課税関係が異なるので、ブログネタに丁度いいなと思い久しぶりに書いてみました。(ちなみに一般的なお年玉は贈与です)



私の個人的な見解ですが、この100万円は一時所得になると思います。



某経営者が個人的なお金から支出するようですが、①リツイートを条件にしていること、②当選者という言葉から100名は抽選で選ばれることが推測されること、このことから広告宣伝を目的とした賞金と捉えるのが妥当だと考えます。



一方、支払われるのは某経営者の個人的なお金であり、法人ではなく、某経営者自身が事業主でもないことから、贈与であると考えることもできます。(贈与の場合110万円まで課税されません)


しかし、贈与とは無償で行われるものなので、このケースは該当しないと考えます。
(あくまで私的見解です)



すると、今度は某経営者が源泉徴収義務者になるのかどうかが問題になります。

某経営者は、個人事業主ではないので、個人で給与支払事務所等の開設届出は提出していないと思われます。

となると、源泉徴収せずに総額を支払っていいものなのか?

それとも、給与支払事務所等の開設届出を提出したうえで、源泉徴収するのか?



某経営者の顧問税理士はどうするのか?

所轄税務署はどう対応するのか?

この辺りが気になるところです。
(個人的には行政指導してもらいたいですね)


ちなみに、私の見解通りなら、当選された方は、平成31年(2019年)分の所得となりますので、来年(2020年)に確定申告が必要になるでしょう。
 
(2019・1・7)

梶原光規税理士事務所

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